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多事漕論

大阪市立大学ボート部 公式ブログ ~from漕手andCOXandマネin桜ノ宮~

勝て。やめんな。

ボートの日誌


今年一年主将を務めました、原田正喜です。
一年間毎週指導してくださったコーチ陣、指導陣の皆様、そして激励会や新艇購入などなど多大なるご支援をいただきましたOB会の皆様、本当にありがとうございました。大阪市立大学ボート部グループという歴史ある部活動の主将を務められたことを誇りに思います。
最後の全日本大学選手権において私の乗っていた対校エイトは敗者復活戦で敗退となりました。昨年度よりも力を付けましたが、関東勢との差を痛感しました。決まり文句としてではなくやはり私自身の覚悟が足りなかったと感じました。それでも朝日レガッタで関西学生勢で唯一決勝進出し6位に入賞したことや、関西選手権で48年ぶりに優勝を果たすなど自分に少しは自信をもたらす経験も出来ました。「周りの人に勝たせてもらった」というのが正直な感想ではありますが、「引き寄せたのも自分の力」だと勝手ながら思うようにしています。
これからはOBとして後輩たちに自分よりも素晴らしい経験をしてもらうべく、そしてボート部のファンをますます増やしていくべく活動していきます。OBとしての心構えや漕手の指導の仕方など、まだまだ勉強させていただくかと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします。

OBになってしまう前に、主将としての最後の言葉をここに残そうと思います。手に水を掴む感覚が残っている今の内に。ボート部活動を振り返り、その中で私が得たものをOBの方々それから同期や後輩のみんなに伝えておきたいと思います。



私はボート部での生活を思い返すときいつも、「もしもボート部を辞めていたらどうなっていただろう」と想像してしまいます。と言うのも、私は部活動に全く参加していない時期がありました。2回生の秋です。他の同期の漕手やマネージャーは初めて自分たちの学年が主体的に活動していく、全日本新人に向けて情熱を燃やしていました。そんな中何故か私はとにかく辛くて堪らなくなりました。家庭の事情やお金の面など、色々ありましたが1番は自分の気持ちが弱かったせいだと今では感じます。負けてばかりで、お金と時間を浪費しているという感覚があり、活動の意味を見失ってしまいました。自分の努力不足に目を向けられず自己憐憫に陥っており、やれることはまだまだ山程あったのにそれをやる前に、目先のしんどさや他にもっとやりたいことがあるはずだという曖昧な言い訳をして、ボート部から逃げるように離れていきました。

一時は夢中になっていたボート部から逃げたということから、だんだん自分を信じられなくなっていきました。次もほんの些細なきっかけで、ものごとを投げ出すんではないかと自分を疑うようになりました。だったら力を注いでも結局は全部無駄ではないかと虚無感に襲われ、何も手につきませんでした。大学もサボりがちになり、夜中遅くまでぼんやりと起きるともなく起きているというような毎日が続きました。本当に自分は気持ちが弱いんだなと日々痛感していました。

そんなある日、ボート部の仲間達が食事に誘ってくれました。台風で午後の練習が中止となり、それを機会に数名の同回生で集まって居酒屋に行きました。その食事の場である言葉をかけられます。1回生の冬から共に対校エイトに乗っていた「相棒」とも呼べる仲間のその言葉がきっかけで、私の生活は一変します。一通り飲み食いが終わり話も尽きたころ、ある同回生からボート部には戻らないのかと尋ねられ、おそらくこのまま辞めるだろうと私は答えました。シーズン中、対校エイトに乗っていたので一応部の代表クルーの一員として少しは注目を集めていましたが、ひとたびその看板を取り上げられ、先輩から離れて自分一人になると何もできないと感じていました。このままボートをやめてダラダラ本でも読む大学生活を送ろうと本気で思っていました。
そのときに「相棒」がボソッと言います。
「もったいない、俺はファンやけどな」

その言葉を聞いたときは軽く笑い飛ばしてしまいました。私は、ほとんど寝て起きてを繰り返しているだけの今の自分にそんな言葉が降ってくるとは想像もしていません。思わず笑ってしまいました。
しかししばらくしてみると、なんだかそう言ってくれる仲間が1人でもいることが、ボート部で活動する意味でもいいじゃないかと感じられてきました。あれだけ逃げたかったのに肩の力が抜け、多少しんどくてももう一度ボートを漕ぎたいと素直に思えてきました。

それから1人で近所の公園のコースを走ってみたり、ボート部が休みの日にこっそりエルゴやウエイトで体を鍛えに行ってみたりするようになりました。体を動かす以外にも、少しずつ生活の中に前向きな時間が増えていきました。心地いい疲労感の中、夜は早いうちに眠りに就き、昼間は大学の講義に出るようになりました。

こうして私は幸運にも自信回復へのきっかけを掴むこととなります。
自分勝手にボートから逃げたにもかかわらず、温かい仲間が私を迎えてくれ、ボート部での活動を再開することができました。本当に自分は恵まれていると感じました。自分のことやチームのことで一杯なはずの先輩方に、迷惑をかけました。それなのに帰ってきたその日にフォアに乗せてくれました。その晩の練習は他艇との並べでした。「原田の復帰戦やから勝つぞ」とコックスの同期と後輩達が冗談交じりに言ってくれました。そんな寛大な上回生や同期、後輩の姿を見て、この仲間たちと勝つために少しでも貢献したいと思いました。そしてそのとき一心不乱にボートに打ち込むことを自分と約束しました。

実感としてそれからの生活は一気に充実しました。「毎食1kgの米に加え、間食には食パン1斤食べきり肉体改造すること」や、「体重1番軽いけど、1番スクワットあげる奴になる」といった目標を密かに自分の中で掲げ、それをひとつずつ達成していきました。そして運良く春から対校エイトに乗る機会にも恵まれ、そこで共に闘う先輩の姿を近くで見る内にあることを意識するようになります。
それは「主将になって、チームを変えたい」という思いです。

この部活は私のように自分に自信が持てなかった人にも、何度でもチャンスをくれる素晴らしい環境だと思います。その素晴らしい環境を生かしてより高みを目指す集団になれば、後輩たちも自分と同じようにやりがいを感じ、自信をつけていくのではないかと感じたのです。そして半ば立候補のような形で私は大阪市立大学ボート部の125番目の主将となることができました。

そしてこの1年間、自分の実力不足もあり数え切れないほどの困難が降りかかってきました。主将になった当初は自分よりも体力があり、全国の舞台でも活躍した後輩に引け目を感じたりしていました。しかし、勝つためにおかしいと思ったら大声で叱りつけることも出来るようになりました。他のエイトのメンバーが諦めかけたり、しんどそうにしていて暗いムードになっていても、自分の冗談や前向きな言葉でクルーの雰囲気を変えることも出来るようになりました。どうしたら勝てるのか主体的に考え、メニューや目標を自分で立てることができるようになりました。本当に苦しいときは苦しいと正直に仲間に打ち明けられるようになりました。100人の前でも堂々と自分の考えを言えるようになりました。どんなにしんどくても、頭が真っ白になっても、練習中は大声で勝ちたいと叫びました。朝日レガッタで決勝にいきました。関西選手権で優勝しました。何より辞めませんでした。



自分を信じるで、自信です。

相手に勝つことも勿論自信につながります。でも1番は自分自身に約束したことを守ることです。そうすれば自分を信用出来ます。考え方が前向きになります。周りの人を前向きにできます。その経験が自分を幸せにし、周りも幸せにします。

この大阪市立大学ボート部はそんな経験を積むのには、とてもいい環境だと思います。


ボート部に入って良かった。仲間が出来た。
ボート部に帰ってきて良かった。離れて住む家族が喜んでくれた。
辞めなくて良かった。自分に自信がついた。


いいか、後輩!これからのボート部は楽しいぞ。思う存分黄金時代を作ってくれ。そして自分に自信をつけてくれ。

君たちがやるべきことは2つ
いや、俺がお勧めすることは2つ
自分に勝つこと、辞めないこと

すでに自分に負けそうな君、そしてこの先辞めたいと思うであろう次の4回生!

絶対大丈夫、何故か?
俺がお前らのファンやからや 笑

今から来年のお盆が楽しみです。



P.S.
僕が2回生の頃ボート部に帰ってこれたのは「相棒」のおかげでした。
そして、最後のこの一年僕が主将辞めずに続けられたのは「ある先輩」の存在があったからです。その先輩にこれからもよろしくお願いしますということと、最大の感謝の気持ちを込めて最後にこの言葉を贈ります。




「あとんす 」


大阪市立大学ボート部
2015年度 主将原田正喜
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コメント

リアル面白いよね、違ったらごめんなさい。
あれの怪我する前の高橋くんがなんとなく分からんでもないのが、もどかしくて過去をいつも省みてしまいます。

2015.09.10  RORO  編集

いい経験させてもらったね。おれも主将させてもらってたとき原田と似たようなこと感じてた。でも1年間原田の振る舞いを見てて1番感じたのは俺より一つ上のレベルで、もがいていたということ。尊敬します。
ウチを関西選手権優勝に導いたのは間違いなく原田主将やと思う。
あとは後輩に任せましょう!笑
ほんまに1年間、おつかれさんでした!

2015.09.11  渡部  編集

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